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【不定期連載】ラジコンに関わる企業さんに行ってみた Vol.1 「株式会社 RAYWOOD」

らじつう編集部がラジコンに関わる企業さんに行ってみるという不定期連載企画「ラジコンに関わる企業さんに行ってみた」

Vol.1はWPL JAPANを運営する株式会社 RAYWOOD様にお伺いしてきました。

 

Interviewing and writing : chief-editor Shinji Katagiri

 

 

株式会社 RAYWOODとは?

「あそびを進化させる会社、すきなことができる社会に。」というコーポレートミッションを掲げ、
中国のライトホビーラジコンメーカー「WPL」の日本ブランド「WPL JAPAN」を運営し、
ペンタブレットやエアブラシシステムなど、
独自のホビー領域製品を幅広くランナップする新進気鋭のベンチャー企業。

 

株式会社RAYWOOD https://raywood.jp/

 

今回お話をお伺いしたのは代表取締役・CEOの木村洋一氏、
CTOの上嶋(かみじま)俊平氏とマーケティングプランナーの金沢氏のお三方。

 

 

株式会社RAYWOODの成り立ち

 

音楽の世界からEC業界に転身され、あっという間に独立を果たしたCEO 木村氏。
中国の工場と連携し、独自のカスタマイズを施した魅力な商品を開発・販売されていた。

そんなある日、商材の取引先として訪問した企業に勤務されていたCTOの上嶋氏と出会う。

もともとはペンタブレットの商談という場であったが、
木村氏がエアブラシも扱っていることを知ると一気に意気投合。

様々な話をする中で、上嶋氏のライフワークであるラジコンの話題へと話が展開する。

結婚や子育てで競技ラジコンシーンから離れ、
ゆったりと遊べるラジコンを探しては試していた上嶋氏が、
当時とても気にいっていたのが日本では無名だったWPL社のラジコンだった。

上嶋氏が木村氏にWPLの製品を日本で扱えないのか?と持ち掛けたところ、
持ち前の行動力を発揮した木村氏が一気にWPL社とコンタクトに成功。

トントン拍子でWPL JAPANとして活動することとなる。

 

WPL JAPAN設立の経緯

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中国WPL社の日本法人ではなく、株式会社RAYWOODの製品ブランドとしてWPL JAPANは誕生する。
交渉開始からすぐに現地におもむき、顔を合わせて直接交渉し思いを伝え意気投合した。
ちなみにWPL社は日本のラジコン文化に敬意を抱いており、そのこともこの決定を後押ししたという。

では、なぜWPL JAPANという名称の利用にこだわったのか?

CTOの上嶋氏に伺ったところ、WPLの製品をそのまま輸入して販売するという代理店ではなく、
日本で安全・安心に扱えるように技適マークの取得や、
バッテリーのPSE取得などを自社で行い、
更に日本のユーザーの為の付加価値を加えて製品提供を行いたかったという。

そして、長く使ってもらいたいということから、
スペアパーツの安定供給や日本語によるサポート窓口を設置するなど、
小さくても日本のラジコンメーカーとして活動していきたいという熱い想いからのことだった。

ちなみに技適マークやPSEマーク取得にあたり、
WPL社に日本用のカスタマイズや修正を依頼しており、
並行輸入される製品とWPL JAPANの製品は似て非なるものになっているという。

更に、WPLの製品のリビジョンアップ管理も行っており、
技適マークやPSEマークは都度再取得を行うなど、
安心・安全に日本で利用できることに細心の注意を払っている。

もちろん日本語版の取り扱い説明書も全ての製品で用意されている。

 

ラジコンに対する想い

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ラジコンもホビーの一つであり、皆が楽しめるものを様々提供したいというCEO 木村氏。
そんな木村氏にラジコンは楽しいということを伝えているのがCTO 上嶋氏である。

上嶋氏は幼少期にラジコンブームに魅了され、町のラジコンショップで1つのキットを手にする。
試行錯誤しながら1台のラジコンカーを組み上げる。
購入したショップの店主にアドバイスをもらいながら、ラジコンのあれこれを学んでいく中で、
すっかりラジコンはライフワークとなった。

上嶋氏の学生時代はツーリングカーブームの真っただ中。
幼少期の熱い想いはそのままにツーリングカーにものめり込み、
サーキットにも通う日々であったとのこと。

しかし、就職や結婚、子育てと環境が変わっていく中、
本格的競技ラジコンに割く時間が減っていく。
それでもラジコンへの情熱を失うことはなく、
サーキットに行けなくても楽しめるラジコンもあるはずだと、
海外の通販サイトなどを頻繁に見るようになったという。

そんな折に出会ったWPL社のラジコンを、
今は提供する側になった上嶋氏であるが、現在の想いをこう話された。

「弊社の製品は興味をもったらすぐ買える価格を守りたいと考えています。
それは自分のように子育てや他の事情で、
購入にも維持にも多くの費用を必要する競技ラジコンは難しい
という人たちにもラジコンを楽しんでもらいたいからです」

また、操作がスイッチ感覚であるトイラジコンを手にする子供が多い中で、
同価格帯でホビーラジコンに匹敵する思った通りに動かせ、
しかも修理もアップグレードも可能なライトホビーラジコンを手にしてもらうことで、
長くラジコンという世界に残ってもらいたいと考えているという。

なお、上嶋氏は自社のラジコンをこんな風に表現された。

「実車のスケールダウンされたものが本格クローラーラジコンだと考えておりまして。
それで言うと、WPL JAPANのラジコンは、
本格クローラーラジコンのスケールダウンモデルだと言えるんですよ」

構造は本格クローラーラジコンそのものながら、
各部の部材や構成を簡略化することで価格を抑えている。
基本的な構造は同じであるので、
今後本格クローラーラジコンにステップアップしたいとユーザーが考えても、
基礎はこのラジコンで学んだことが活かせるという意図もあるようだ。

なお、このコロナ禍で他社のリビングで遊べる、
手のひらサイズのラジコンを扱う考えはなかったのか?
と伺ったところこのような答えがかえってきた。

「たしかに小さいほど場所は選ばないでしょうが、
小さくなるほど操作が難しくなり、また故障の際に修理も子供では難しくなります。
さらにインテリアとして飾っておくにもちょうどいいサイズというのはあると考えておりまして、
現在のWPL社のサイズ感がベストと考えております」

RAYWOOD社ではUSB充電式のエアブラシも取り扱われており、
塗装などのカスタマイズをして楽しんでほしいという側面もあり、
ある程度の大きさがあるほうが、
様々な表現が施しやすいと考えているとのことだった。

また、上嶋氏としては、ラジコンを楽しむ人が増えてほしい!という大きな想いがあることから、
同社Youtubeチャンネルではホビーラジコンをサーキットで楽しむ様子なども紹介されている。

  

株式会社RAYWOODの製品ポリシー

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CEO 木村氏によると株式会社RAYWOODが扱う製品は

「 興味を持った人が、初めて手にしてから中級者になるまで長く使えて、かつ入手しやすい価格であること」

をコンセプトにしているという。

高価で高品質なものでもなく、かといって低価格で最低限でもない、
機能は揃っていてかつ難しくない、更に機能からすればリーズナブルな価格設定、
という非常に難しい領域にトライされている。

取り扱い製品では創業当時からの取り扱い製品であるペンタブレットについては、
現在主流とされている液晶タブレットにおいて、
下向きになる姿勢を長時間取ることが難しいというユーザーの要望の応えるものとなっているという。

そして、現在ラジコンと並び主力製品であるUSB充電式エアブラシについては、
最新モデルでハンドピースの構造を大幅に変更し、
入門者が最初に戸惑う調整や洗浄などをできるだけ簡易に行える構造を採用し、
箱から出して充電したらすぐに塗装ができる!
というものを目指して改良を重ねているとのことである。

さらに、そもそもUSB充電式エアブラシを販売することになった経緯としては、
本格的塗装スペースを用意できないユーザーにも、
屋外などで気軽にエアブラシによる塗装を楽しんでもらいたいという意図があるとのこと。

ラジコンについても箱から出して電池を入れて、
バッテリーを充電したらすぐに遊べることを大切にされているとのこと。

最後にすべての製品をユーザーのレベルに合わせてカスタマイズできるように工夫がされており、
保守パーツもしっかりと用意されている。

 

今後の製品展開

 

クラウドファンディングで話題沸騰となった、
D12-軽トラック型ラジコンカーの軽バンタイプが間もなく発売される。

ラジコンの世界市場の中で日本は非常に小さなマーケットであり、
先に記したように日本で安心・安全に使えるよう、
追加のカスタマイズを行っていることで発売時期は他国に比べて遅くなってしまう現実がある。

そんな中でも今回の新製品ではすでに公開されているが、
ホワイトカラーが日本先行で発売されることになった。
このホワイトカラーについては、日本サイドからの働きかけにより実現したカラーバリエーションで、
WPL社の日本ラジコン文化へのリスペクトとも相まって実現した企画という。

さらに軽トラックモデルが発売の際には、
全国各地のサーキットでD12ワンメイクレースやカスタマイズカーレースが開催されたとのことで、
今後、WPL JAPANとして様々なイベントも計画していきたいとのことだった。

加えて、CTO 上嶋氏の熱い想いからオリジナルのラジコンツールの開発も進行しているという。
1ラジコンユーザーとして欲しいものを!
というコンセプトで開発されているとのことで、今後詳細情報が公開される予定。

また、USB充電式エアブラシではトップシェアを誇る同社であるが、
本格的な据置型コンプレッサータイプのエアブラシ製品も開発中である。
USB充電式からのステップアップに適した製品になるという。

加えて、既存のUSB充電式エアブラシについては要望が多かった、
マーカータイプのスプレーキットへの対応アタッチメントがまもなく発売されるとのこと。

そして、これらの製品だけでなく、同社としてこれは!?という製品があれば、
随時取り扱いを広げていく構想であるとのことだ。

 

今後の会社について

 

最後にCEO 木村氏に今後の事業展開について伺った。

「私はこの会社を大きな会社にしたいとは考えていません。
ここに集ってくれた仲間が楽しいと思うことをやりながら生きている場所になればと。
組織というよりもプロジェクトの集合体というほうがイメージが近いかもしれませんね。」

また、木村氏としては”ホビーとは楽しいこと全て”であると。
楽しいと思えるものを探し、提供していく活動を続けていきたいということであった。

更に、これはいい!というものを見つけたとしても、必ず自分達としてはこうしたい!
というこだわりをもって取り組みたいということだった。

 

編集後記

 

今回非常に多くの時間をいただき、多くのお話を丁寧に語っていただけました。

言うは易く行うは難しというように、理想と現実のギャップは常につきまとうものですが、
そのバランスをとてもうまくとっていらっしゃるなと感じました。

そして、今後も非常に魅力的な製品が続々と登場する予定とのこと。

読者の皆様も株式会社RAYWOOD様の今後をお見逃しなく。