
メーカー | Flysky |
製品名 | FS-G11P |
希望小売価格 | オープン価格 参考標準価格:33,000円(税込) |
通信方式 | DSSS(ANT) |
チャンネル数 | 11ch |
技適認証 | (FS-G11P…018-250079) (FS-R11P…018-250078) |
【レビュー概要】
LC Racingブランドを運営する流星株式会社が国内代理店として取り扱いを開始したFlysky社のミドルクラスプロポ「FS-G11P」。日本国内で技適認証を取得されたFlysky社のミドルクラスモデルとしては初登場となるこのプロポについて開封から実際の使用感までレビューしてまいります!


■特徴
11chまで対応し通信プロトコルはDSSS(ANT)方式を採用したミドルクラスRC用プロポ。
3.5インチのフルカラー液晶、オープンソースシステム新世代 H7プラットフォームOSを搭載。
- チャンネル: 11
- モデル: 車またはボート
- 無線周波数: 2.4GHz ISM 送信電力: <20 dBm (eirp) (EU)
- 無線プロトコル: DSSS(ANT)
- 範囲: >300m (干渉のない地上距離)
- チャンネル解像度: 4096
- データコネクタ: USB Type-C、3.5mm
- オーディオジャック(DSC)、SDカードスロット
- 入力電源: 6-9V/DC; 18650*2PCS/2S LiPo
- ディスプレイ: 3.5インチ 320*480 フルドットカラー非タッチIPSスクリーン
- アンテナタイプ: 内蔵アンテナ2本
- 温度範囲: -10 ℃ ~ + 60 ℃ 湿度範囲: 20% -95% オンラインアップデート対応
- 寸法: 150.0×120.8×197.1mm
- 重量: 371g(バッテリー除く)
Flysky FS-G11P 開封&製品詳細レポート


今回、WarehouseSTORE RD2にて販売中の製品をサンプルとして使用しております。初回入荷分には充電バッテリー「18650」が同梱となりますのでお得となっております!
らじつうーラジコン通信オフィシャルオンラインストア「WarehouseSTORE RD2」にて好評販売中!

Flysky FS-G11P(11Ch 送受信機セット)
¥29,700 (税込)
https://warehousestore-rd2.stores.jp/items/68304173dacada6086e4d3c6



外箱を開けると中にはプロポバッグと言えるような中箱が入っております。材質は発泡スチロールのような素材のため、持ち歩きなどで使うという用途にはあまり向きませんが、自宅での保管用としては十分ではないでしょうか?

プラスチック部品でロックがかけられます。このロックを解除すると蓋を開けることができます。



箱の中はプロポを格納する部分と同梱パーツが入った箱が入っています。この後プロポにパーツを取り付けた状態にしてもそのままケースとして使用できます。


小箱の中には受信機や特別同梱のバッテリー、その他付属パーツやケーブル類などが入っています。取扱説明書も同梱されています。

11chの受信機も同梱されています。各種用途のケーブルも同梱されています。受信機は若干大きく感じますが11ch使えることで様々な用途に使用できるのと、とても軽いので車種問わず使用することができます。









プロポ本体です。ディスプレイはタッチ式ではないので中央の方向キーと電源キー、左右にファンクションキーにあたるボタンが4つ配置されています。ステアリングホイールやトリガー部分は調整式となっており、11ch送信機ということもあり各種スイッチがステアリングホイールの周辺に多く配置されています。これらには自由にチャンネルを割り当てることができます。画面の言語は英語と中国語対応となっており、代理店である流星株式会社様に確認したところ日本語モードを搭載したファームウェアをFlysky社と連携して準備中とのことです。
ちなみにFlysky社のプロポはPCと接続することでゲームコントローラーのように利用することが可能な機種が多いのですがこの機種も該当します。VRCなどのR/Cシミュレーターのコントローラーとしても利用可能です。


標準同梱となっているハンドルを取り付けました。この状態で内箱に格納することができます。



バッテリートレイは今回は初回出荷分同梱の充電バッテリー「18650」を搭載してみます。+とーが分かりづらいの表示をよく見て搭載しましょう。なお、Li-Poバッテリーも搭載することが可能です。

グリップ部分は簡単に取り外しが可能です。自分の手の大きさに合わせたものをチョイスできます。標準タイプとLタイプが同梱されます。


受信機には各種チェックで使用できる付属ケーブルが同梱されています。
ざっと開封から本体のレポートをお届けしたのですが、開封して充電するばこのまま使用を開始することは可能なのですが、らじつう編集部で確認したところ出荷状態は最新のファームウェアではないことが判明しております。ファームウェアのアップデートには「Flysky Assistant」というアプリケーションをPCにインストールし、本製品を接続することでアップデートが可能です。今後日本語モードを搭載したファームウェアがリリースされた際にも同じ作業が必要となりますので、ぜひ環境の準備をオススメします。
Flysky社 ダウンロードページ
https://www.flysky-cn.com/g11pdownloads
2025/6/25時点での最新バージョンは「v1.2.20(EN)」です。FlyskyAssistantはインストーラーをダウンロードして指示通りインストールを行うだけで簡単にセットアップできます。以前はとても動画重いアプリケーションでしたが今回試してみたところバージョンアップされて動作は非常に軽くなっておりました。以前、NB4向けにインストールからアップデートの手順をまとめた記事を掲載しておりますのでご参照ください。
基本的な操作としてはFlyskyAssistantをインストールしたPCに付属のUSBケーブルで本体を接続し、アプリケーションに本体を認識させたうえでアップデートを実施するのですが、今回らじつう編集部で試したところいくつか注意点がありましたので記載しておきます。
■初期ファームウェア状態でのアップデートの注意点
複数のPCで動作確認をしたのですが、FlyskyAssistantにて本体は認識できても現在状況が確認できないということがわかっています。また、モデルデータのバックアップにも初期状態だと失敗することも確認できています。これはらじつう編集部だけの事案である可能性もありますが、念のため記載しておきます。
そしてアップデートについてPCのUSBドライバーの状況によってはうまくプロポ側のアップデートモードが起動しない事案も確認されました。PCを変更することで解決しましたので万が一同じような症状が発生した際は違うPCを使用されてみることをオススメします。なお、らじつう編集部ではWindows11での動作を確認しております。
ファームウェアがv1.2.20(EN)にアップデートされますと、モデルのバックアップやFlyskyAssistantでの状態表示(各種バージョン情報)が確認できるようになりましたので、開封後に最新ファームウェアにアップデートしてから利用されることを、らじつう編集部ではオススメいたします。
らじつうレビュー:Flysky FS-G11P
以下レビューは購入者の参考として、5点を標準評価とした10点満点での採点をしております。あくまでレビュワーの感性に基づいた評価ですので、目安としてご覧ください。
■品質感 8点
ミドルクラスプロポということでハイエンドモデルに比べると本体の造りが若干コストダウンを感じさせる機種が多い中、非常に品質感は高いです。ステアリングホイールやトリガーの調整機能を搭載していたり、11ch対応ということもあり多くのボタン類も搭載しています。ジャイロや各種ギミックを動かす際にも重宝するものとなっています。見た目だけでなく、手に取った感じもバランスがよくまた手触りも高級感を感じれるものになっています。
液晶ディスプレイもカラー表示となっていてとても見やすいものでありますが、非タッチ式ということで方向キーと各種ボタンでの操作となっているのですが、このボタンの動画若干クセがあることが減点ポイントです。ゆっくりと確実に操作をすれば問題ないのですが急ぎの操作だと少し戸惑う場面があるかもしれません。このあたりは今後のアップデートで解消される可能性もありますので、できるだけ最新のファームウェアを利用されることをオススメします。
■操作感 5点
このプロポの通信部分には通信プロトコルとしてDSSS(ANT)というプロトコルが採用されています。このプロトコルの特長は「低消費電力・高出力」であり、ハイエンドモデルのような操作に対する高解像度や高速レスポンスを目指したものではないというのが前提となります。
ですので、競技志向の方向けかと言われると厳密にはそうではないモデルということになりますが、実際にサーキット含めた走行テストを行った感想で言えば、ミドルクラスのツーリングカーやオフロードバギーでミドルクラスサーボの組合せまでであれば不満はないレベルというものになります。入門用プロポに比べれば細かな操作にもしっかり反応してくれますし、広い場所でも電波がしっかり届きます。これはDSSS(ANT)の特長とも一致するものです。この辺りはより高解像度を実現するプロトコルを採用しているハイエンドモデルとの差ともいえますが、パーキングや広場での走行やサーキットであってもスポーツ走行レベルであれば全く問題ない性能と言えますし、相当高レベルなレースに参加するということでなければレースでも使用できる最低ラインの性能は有しています。
なお、採用プロトコルの恩恵もあり、一度充電するとかなり長い間連続使用することができます。これは低消費電力という特徴がうまく現れている部分でもあります。
11chまで対応しているということも考慮すると、レースだけでなくクローラーやギミックマシンに使用できるなど多用途に対応でき、一度の充電で長く利用できるという特徴がありながら入門用プロポよりも操作性能が高いミドルクラスプロポというのがこのモデルを説明する適切な内容だと言えます。
■ カスタマイズ&拡張性 10点
ステアリングホイールの調整やトリガーの調整だけでなく、プロポハンドルの取り付けが標準同梱品だけで実施できるのは高いポイントです。更にオプションパーツを購入するとスマホを取り付けできたりと様々な用途に合わせたカスタマイズも可能です。
さらにDSSS(ANT)規格に沿った機器を幅広く利用できるため、Flysky社以外で提供される機器であっても利用することが可能です(なお、利用は自己責任となりますのでご注意ください)。今後、流星株式会社様からも様々なタイプの受信機が販売開始される予定とのことですのでこちらもポイントが高いです。加えて、受信機の価格が安く設定されているのも嬉しいポイント。複数のマシンを所有する方には特に評価が高くなるポイントですね。
■ コストパフォーマンス 8点
本体の品質感や付属品の多さ、内箱がプロポバッグになるアイデアなど実販売価格から考えるととてもコストパフォーマンスが高いモデルと言えます。上記したとおりミドルクラスプロポではありますが、ハイエンドモデルに近い性能を持ったミドルクラスプロポというよりも、多用途に利用でき消費電力も低く、遠くまで電波が飛ばすことができながら、リニア感のある操作フィーリングを実現してくれる上に11ch利用することができるという、多用途に対応できるミドルクラスプロポという位置づけのモデルと言えるものであり、その観点で見たときにもとてもコストパフォーマンスが高いという評価となります。
■総評 8点
Flysky社といえばNoble NB4シリーズのイメージが強い方も多い中で日本で販売開始されてミドルクラスプロポ「FS-G11P」ですが、性能面ではハイエンドモデルに及ばないものの、採用プロトコルの恩恵として低消費電力・高出力でありながら、受信機は低価格で提供されるという特徴を持ちます。入門用プロポよりも高い性能を有し、高品質な本体にカラー液晶を搭載しながら11ch受信機も同梱バージョンですら購入しやすい価格帯を実現しているとてもコストパフォーマンスが高いモデルと言えます。
入門用プロポからのステップアップはもちろん、複数の車種を所有されるユーザーにおいては受信機が低価格というメリットがあるためセカンドプロポとしてもオススメできます。更にPCとの接続でのファームウェアのアップデート提供があることや、PCコントローラーとして利用できるモードも搭載しており、VRCなども楽しめる点も高いポイントであると言えます。
■オススメユーザー
- 入門用プロポからのステップアップを考えている方
- 受信機の価格が安く、性能がしっかりしたプロポを探している方。
- 多くのチャンネルを必要としている方
- 広い場所で長くRCを楽しみたい方
今回のレビュワー
神崎 希 – Nozomu Kanzaki(らじつう編集部)
普段はホビーラジコンのオンロードツーリングカーや、オフロード2WDを中心に楽しんでいる編集部員。ちょっと変わったモデルにも手を出しては、メンテナンスが追い付かないとよく嘆いている。