※本レビューはDEERC Toys様より提供された商品を使用しております。
メーカー | DEERC |
車種 | 9206E(RTRモデル) |
希望小売価格 | ¥14,980 ※2022年7月5日時点 |
技適(工事設計認証番号) | 210-161309 |
付属品 | プロポ(送信機)、LiPO(リチウムポリマー)バッテリー2本(7.4V/1700mAh)、塗装済みボディ&クリアボディ各1(リアウイング1式)、USB充電ケーブル、ドライバー、十字レンチ、日本語取扱説明書 |
今回のレビューは、主にAmazonで販売されているトイラジコン・ライトホビーラジコンメーカーである、
「DEERC」社製のシャフトドライブ4WDバギー「9206E」です。
※Amazonアソシエイトを使用しております。
【製品概要】
商品箱はスッキリとしたデザインです。
本体
RTR(レディ・トゥ・ラン:完成品即走行可能)モデルですので完成された状態です。
プロポ(送信機)はホイラータイプ。構造はとてもシンプルです。
プロポを使用するには単三電池3本が必要です。
塗装済みボディの上にクリアボディが被せられています。
リアウイングは別パーツになっており、組み立てが必要です。
組み立て方法は取扱説明書に記載があります。
付属品
LiPOバッテリーが車体に1個、別添で1個の計2個付属しています。
USBタイプの充電器も付属。
ドライバーや十字レンチ、掃除用の刷毛や一部予備部品、ウイング用のピンなどが付属しています。
これらをまとめておける袋もあります。
取扱説明書はほぼ日本語です。
分解展開図や部品の紹介もされています。
※アフターパーツはAmazonでも販売されておりますが、
万が一見つからない場合はサポート窓口に連絡することで調達が可能です。
【車体レビュー】
ボディを外してみるとシンプルかつホビーラジコンカーに共通する構造であることがわかります。
ボディはポスト4本にピンで固定します。
前後サスペンションはアッパーアームもロアアームも樹脂製。
4輪独立サスペンションになっており、オイルダンパーが4本搭載。
※ダンパーについてはメーカー様にも確認し、実際に空けてみましたが液体が封入されていました。
右リアに540モーターが搭載されており、ヒートシンクが搭載されています。
リアのギアボックスから1本のシャフトで前輪まで駆動が伝達されます。
前後ともギアデフが搭載されています。
メインや各輪のドライブシャフトは金属製。
駆動各部にはボールベアリングを搭載。
タイヤは4輪同形状のビックサイズタイヤ。インナーは入っていないようです。
バッテリーはモーターの反対側に搭載。T型コネクターです。
固定はプレートとピン止めです。
受信機&ESCはビスで固定されています。
サーボは小型のものが左前に搭載されております。
ステアリング周りはシンプルなワイパー構造ですべて樹脂製。
【走行&総合レビュー】
※テスト走行はコロナ禍であることを考慮し、らじつう編集部の事務所敷地内で行っております。
バッテリーを搭載して車体・プロポのスイッチをONにすると前照灯が点灯します。
こういう遊び心は嬉しいですね。
プロポ側ではトリムとスピードリミッターが調整できます。
今回ステアリングトリムを中心に合わせただけでしっかりと直進しました。
スピードリミッターは最大。
なお、以下レビューは購入者の参考として、5点を標準評価とした10点満点での採点をしております。
あくまでレビュワーの感性に基づいた評価ですので、目安としてご覧ください。
らじつうレビュー:DEERC 9206E
■応答性 5点
走り出してまず感じる操作感は、トイラジコンではなくホビーラジコン。
トイラジコンのようなスイッチ操作ではなく繊細な操作にも素直に応えてくれます。
本来の分類としてはライトホビーラジコンの車種となりますので、
セット標準のプロポやメカであることを考えると十分な応答性です。
もちろんこのセットが買えてしまうようなサーボを搭載したホビーラジコンとは違いますが、
スロットルもステアリングも反応速度を把握すれば、意図したとおりの操作が可能です。
■スピード 7点
540モーターに7.4VのLiPOバッテリー搭載なので、
スピードリミッターを最大にしますとギュン!と加速してくれます。
狭い場所では持て余してしまうぐらいですが大暴れするほどでもなく、
大きな車体大きなタイヤということもあり、全体として扱いやすいレベルです。
■走りの質 7点
大きなタイヤや全体として柔らかい樹脂が使われているスタンダードな構成のサスペンションで、
オイルダンパーが搭載されているとはいえ、曲がる時にヨレや不安定さを感じますが、
ライトホビーラジコンというよりホビーラジコンのような操縦者の操作をキチンと反映していく動きをします。
4WDならではのアンダーステア特性は感じますが、この構成であることを考えるとよく動き・よく曲がります。
今回はコンクリート路面のみでのレビューなので少しギクシャクした部分はありましたが、
オフロードやキャンプ場(許可されている場合)などの比較的スリッピーだったりバンピーな路面や、
公園のような広く余裕をもって走らせられるところであれば、かなり楽しい走りが体験できると推測します。
■頑丈さ 10点
サスペンションが樹脂であるだけでなく、各部がかなり緩く柔軟性を考えて作られていることが、
手でサスペンションを動かしてみるとわかります。
テスト走行で何度か軽く障害物にぶつかりましたがビクともしません。
思うに本格ホビーラジコンというよりライトホビーラジコンであるということが、ここで良い意味で感じられます。
緩さがうまく衝撃を逃がしてくれているということです。
壊れにくさというのはラジコンカーを初めて手にとる人たちにとっては非常に重要な要素だと言えます。
シャーシは浅めのバスタブ構造で剛性感もありますし、アンダーガードも搭載されており、
どんな場所でも安心して遊べるというのも大きな利点だと考えます。
■メンテナンス性 8点
前後ギアボックスは密閉になっていますが、その他は非常にシンプルな構造で掃除も手間がかからないように見えます。
また、部品点数も少ないので各部を分解してのメンテナンスも一定のスキルがあれば容易でしょう。
さらに分解展開図が取扱説明書に記載がありますし、アフターパーツも入手できますので長く楽しめます。
■拡張性 5点
構造がシンプルなので、やろうと思えばお手持ちのメカ類を搭載したり、
他社パーツを流用してカスタマイズすることも可能なように見えます。
ただ、このあたりは保証外となりますので各個人の責任でお願いします。
■総評 9点
ホビーラジコンと言われるものと比べてしまえば確かに劣る部分は目につきますが、
ホビーラジコンカー同様の構造で設計されており、走りも本格的。
かつ、壊れにくい構造であり、大きく柔軟性が高いタイヤを搭載しており走る場所を選びません。
さらに、適度なスピード感であり、ホビーラジコン同様の意図した通りに動く操作感を十分に体験できます。
この品質・性能のRTRフルセットで、定価1万4千円弱はコストパフォーマンス抜群です。
※Amazonでは割引クーポン配布や大きなセールでさらに値引きされる場合もあります。
では、なぜ10点じゃないのか?という点ですが、
要因としては付属のバッテリーがLiPOバッテリーであるということです。
取扱説明書記載の注意事項を守って正しい取扱いをすればリスクというほどのものではありませんが、
万が一それを怠った場合にLiPOバッテリーは、意図ない火災が発生する可能性があることは認識しておくべきです。
未経験者の方が手にする可能性が高いことも考慮しまして、あえて1点引かせていただきました。
※添付の注意事項はかなり丁寧に記載がありますがやはりリスクはリスクと考えます。
本製品はラジコンカーにちょっと興味があるという未経験者の方や、
親子で遊んでみたいけれどトイラジコンじゃ物足りないという方に、
ファーストチョイスとしてオススメできる素晴らしい製品です。
(さらにDEERC社は日本の技適も取得されていて安心して利用できます)
■オススメユーザー
- ラジコン未経験でちょっと興味を持った方
- 親子で広場などで楽しみたい方
- ラジコンに精通していて安くて面白いものを試してみたい方
今回のレビュワー
神崎 希 – Nozomu Kanzaki(らじつう編集部)
普段はホビーラジコンのオンロードツーリングカーや、オフロード2WDを中心に楽しんでいる編集部員。
ちょっと変わったモデルにも手を出しては、メンテナンスが追い付かないとよく嘆いている。